全負荷型と特定負荷型の違い|停電時に何が使えるか
公開:2026年9月20日

「停電しても蓄電池があるから大丈夫」。そう思って導入したのに、 いざ停電したらリビングのエアコンも、キッチンのIHも使えなかった。 こうしたことが起きる原因の多くは、蓄電池の「全負荷型」と「特定負荷型」の違いにあります。
この記事でわかること
- 2つの方式の違い
- 特定負荷型で使える範囲
- 全負荷型のメリットと価格差
- 200V機器(エアコン・IH)の扱い
- 見積書で確認すべき項目
読むのにかかる時間:約3分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
この記事では、2つの方式の違いと、停電時に何が使えて何が使えないのか、見積もりのときに確認すべき点を説明します。
2つの方式の違い
特定負荷型
停電したとき、あらかじめ決めておいた一部の回路(部屋やコンセント)だけに電気を送ります。どの回路にするかは、工事のときに決めます。
全負荷型
停電したとき、家や店の分電盤全体に電気を送ります。普段どおり、どの部屋のコンセントでも使えます(ただし出力と容量の範囲内で)。
違いは「停電時にどこまで電気が届くか」です。 普段の電気代の削減の働きは、どちらの方式でも基本的に同じです。
特定負荷型で使える範囲
特定負荷型では、分電盤の中のいくつかの回路を「停電時に使う回路」として選びます。 選べる回路の数や、合計の電力には上限があります。
- 一般的には、冷蔵庫・照明・一部のコンセント・通信機器がある回路を選ぶことが多い
- 選ばなかった部屋のコンセントや照明は、停電時には使えない
- 停電時、使える場所まで家電を持っていく必要がある場合もある
よくある誤解
「冷蔵庫が使えると聞いていたのに、停電したら止まった」。
これは、冷蔵庫がつながっている回路が、停電時に使う回路に選ばれていなかったときに起きます。
工事の前に、どの回路を選んだのか、書面で確認しておくことが大切です。
全負荷型のメリットと、価格の差
全負荷型の最大のメリットは、停電時も「どこが使えるか」を気にしなくていいことです。 寝室のエアコンでも、トイレの照明でも、普段と同じように使えます。
一方で、次の点に注意が必要です。
- 価格が高くなりやすい:機器の構成や工事の内容が変わり、特定負荷型より見積もりが上がることが多い
- 使いすぎると早く尽きる:家全体で普段どおり使えば、貯めた電気はそのぶん早くなくなる
- 出力を超えると止まる:同時に使う家電の合計が蓄電池の出力を超えると、使えない
「全負荷型なら停電中も普段どおり」ではなく、「どこでも使えるが、使える量には限りがある」と理解しておくのが正確です。
200Vの機器(エアコン・IH・エコキュート)の扱い
もう一つの落とし穴が200Vの機器です。 リビングの大型エアコン、IHクッキングヒーター、エコキュートなどは、200Vで動いていることがあります。
- 停電時に200Vの出力に対応している機種でなければ、全負荷型でも200Vの機器は動かない
- 特定負荷型では、多くの場合100Vの回路だけが対象になる
- IHクッキングヒーターやエコキュートは消費電力が大きく、対応していても、動かすと容量をすぐに使い切る
停電時にエアコンを使いたい場合は、そのエアコンが100Vか200Vかをコンセントの形や本体の表示で確認し、機種が対応しているかを業者に聞いてください。
どちらを選ぶかの考え方
| こんな場合 | 向いている方式 |
|---|---|
| 停電時は冷蔵庫・照明・スマホの充電が使えれば十分 | 特定負荷型 |
| 費用をできるだけ抑えたい | 特定負荷型 |
| 真夏・真冬の停電で、寝室や居間のエアコンを使いたい | 全負荷型(200V対応を確認) |
| 在宅医療機器を、家のどこに置いても使えるようにしたい | 全負荷型(機器の消費電力を確認) |
| 店舗で、レジ・照明・冷蔵ケースなど複数の場所の機器を動かしたい | 全負荷型、または回路を慎重に選んだ特定負荷型 |
見積書で確認すべき項目
- 方式:全負荷型か特定負荷型か、はっきり書かれているか
- 特定負荷型の場合、停電時に使える回路:どの部屋・どのコンセントか
- 停電時の出力:何kWまで同時に使えるか
- 200V対応:停電時に200Vの機器を動かせるか
- 停電時の切り替え:自動で切り替わるか、操作が必要か、切り替えにかかる時間
これらが見積書や説明資料に書かれていない場合は、書面で出してもらってから判断してください。 口頭の「大丈夫です」は、停電したときに確かめるしかなくなります。
まとめ
- 特定負荷型は決めた回路だけ、全負荷型は家全体に停電時の電気を送る
- どちらを選んでも、使える量は容量と出力の範囲内
- 200Vの機器は、対応機種でなければ動かない
- 選ぶ前に、停電時に何を・どこで・何時間使いたいかを書き出す
- その一覧を業者に見せて、どの方式でどこまで対応できるかを説明してもらう
選ぶ前に、停電したときに何を、どこで、何時間使いたいかを書き出してください。 その一覧を業者に見せて、どの方式でどこまで対応できるかを説明してもらうのが、いちばん確実な選び方です。