V2Hと蓄電池の違い|電気自動車があるなら
公開:2026年9月21日

電気自動車を持っているなら、その車のバッテリーを家で使えないか。 それを可能にするのがV2Hです。
この記事でわかること
- V2Hとは何か
- 蓄電池との一番大きな違い
- 毎日の電気代を下げる場合
- 確認しておくべき3つのこと
- 補助金について
- どちらが向いているか
読むのにかかる時間:約4分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
先に正直にお伝えします。私たちがご紹介しているのは、据え置きの蓄電池です。 それでもこの記事を書くのは、V2Hのほうが向いている方がいるからです。 どちらが合うかを、条件で分けて説明します。
V2Hとは何か
V2Hは「Vehicle to Home」の略で、電気自動車に積まれているバッテリーの電気を、家に送る仕組みです。
普通の充電設備は、家から車へ電気を送るだけの一方通行です。 V2Hは、車から家へも送れます。そのために専用の充放電設備が必要になります。
- V2H充放電設備を設置する(普通の充電コンセントとは別物です)
- 対応している車種であること(すべての電気自動車が対応しているわけではありません)
- 電気工事が必要(分電盤につなぎます)
蓄電池との、いちばん大きな違い
容量では、V2Hのほうが有利です。 電気自動車のバッテリーは、家庭用の蓄電池より大きいのが一般的です。
けれど「車が家にあるときしか使えない」という制約があります。 平日の日中に停電しても、その車が職場の駐車場にあれば、家には何も届きません。
ここが判断の分かれ目です。容量の大きさか、いつでも使える確実さか。
毎日の電気代を下げる場合
仕組みは蓄電池と同じです。電気が安い時間帯に車に充電して、高い時間帯に家で使う。
ただし、次の日の走行に必要な分を残しておく必要があります。 家で使い切ってしまうと、朝に走れません。
| 使い方 | 考えること |
|---|---|
| 毎日長い距離を走る | 家に回せる分が少なくなります。車のための充電が優先されます |
| 週末だけ乗る | 平日は家に置いてあるので、家で使える余地が大きくなります |
| 在宅勤務で車が家にある | いちばん相性がよい形です。日中も家にあります |
安い時間帯の長さは、お住まいのエリアで2倍以上違います(東京は5時間、北陸・中国は12時間)。 車の充電と家の使用を、その時間内で両立できるかが問題になります。 エリアごとの事情は、電力会社ごとの記事にまとめています。
確認しておくべき3つのこと
- お持ちの車が対応しているか。対応していない車種があります。自動車メーカーに確認してください
- バッテリーの保証に影響しないか。家で使うぶん、充放電の回数が増えます。保証の条件を必ず確認してください
- 停電時に使えるか。V2H設備が停電時の給電に対応しているかは、機種によります
2つ目は見落とされがちです。 車のバッテリーは走るための設備でもあります。家で使う頻度が増えれば、劣化も進みます。 メーカーの保証が、V2Hでの使用を想定しているかどうかを確認してください。
補助金について
V2Hは、蓄電池とは別の制度の対象になることがあります。
私たちが調べた範囲では、69の市区町村で、補助制度の対象設備にV2Hが挙がっていました。 内訳は愛知30・岡山11・神奈川9・岐阜7・宮城6・兵庫3・茨城1・埼玉1・千葉1です。 これは市区町村の制度を整理できている県の分だけなので、ほかの県にも制度がある可能性があります。 お住まいの自治体の制度は、各県の補助金ページからご確認ください。
蓄電池とV2Hを同時に申請できるかは、制度によります。 両方をお考えなら、どちらの窓口にも「もう一方も申請予定です」と伝えて確認してください。 制度の全体像は蓄電池の補助金の基礎に、申請の順番は補助金申請の流れにまとめています。
どちらが向いているか
| こういう方 | 向いているもの |
|---|---|
| 電気自動車をすでに持っている | V2Hを先に検討する価値があります |
| 車が日中も家にある | V2H。日中の停電にも対応できます |
| 毎日通勤で車を使う | 据え置きの蓄電池。日中の停電に対応できません |
| 車を買い替える予定がない | 据え置きの蓄電池。V2Hは車ありきの設備です |
| 確実に電気を確保したい | 据え置きの蓄電池。常に家にあります |
| 両方ほしい | 併用もできます。ただし設置場所と費用が2つ分になります |
電気自動車をお持ちで、車が家にある時間が長い方は、V2Hのほうが合う可能性があります。 その場合は、V2Hを扱っている会社にご相談ください。
私たちの立場を書いておきます
私たちがご紹介しているのは、据え置きの蓄電池です。V2Hは扱っていません。
それでもこの記事を書いたのは、「電気自動車を持っているのに、蓄電池を勧められた」という状況を避けたいからです。 条件が合わないものを勧めても、お互いに何も残りません。
もし「車は持っていない、または通勤で毎日使う」という状況なら、蓄電池が選択肢になります。 30秒の診断で、電気の使い方が合うかどうかだけ確かめてみてください。
まとめ
- V2Hは電気自動車のバッテリーを家で使う仕組み。専用の充放電設備が要ります
- 容量は大きい。ただし車が家にあるときしか使えません
- 毎日通勤で車を使うなら、日中の停電に対応できません
- バッテリーの保証が、V2Hでの使用を想定しているかを確認する
- 補助金は蓄電池とは別の制度のことがあります(69市区町村で対象を確認)