11月の電気代、値上げが正式に決まりました|北陸電力を除く9社
公開:2026年10月1日

11月からの電気料金の改定が、制度として確定しました。 9月25日から29日にかけて各社が届け出た料金の変更を、国が受理しています。
この記事でわかること
- 決まったのは「約款の変更」です
- 10社のうち9社。北陸電力は入っていません
- 「いくら上がるか」の数字が、2つある理由
- 関西電力と中部電力ミライズでは、過去の請求の訂正も重なります
- 上がる部分と、自分で動かせる部分
- この記事の出典
読むのにかかる時間:約5分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
ただし全国一律ではありません。 大手電力10社のうち、今回の届出に入っているのは北陸電力を除く9社です。 この記事では、何がどう決まったのか、ご自身の請求で何を確かめればよいのかを整理します。 金額は書きません。契約プランと使い方で変わるためです。
決まったのは「約款の変更」です
家庭向けの電気料金には、「特定小売供給約款」という決まりごとがあります。 従量電灯のような、昔からある料金メニューのルールブックだと考えてください。
9月29日、国はこの約款の変更届出を受理したと発表しました。 つまり11月からの料金改定は、手続きとして固まったということです。
もとになっているのは、その前に決まった送電網の使用料の改定です。 送配電側は9月11日に8社、8月24日に中国電力ネットワーク1社の届出が受理されており、 それを踏まえて小売側の料金が決まる、という順番になっています。 送配電側にも、北陸電力送配電は入っていません。 この仕組み自体は11月の電気代が上がる2つの理由で詳しく書いています。
10社のうち9社。北陸電力は入っていません
報道の見出しだけを見ると、全国すべてで上がるように読めることがあります。 ですが今回受理されたのは9社ぶんです。 国の発表に添えられた資料で、社名を確かめられます。
| 電力会社 | 今回の届出 |
|---|---|
| 北海道電力 | あり |
| 東北電力 | あり |
| 東京電力エナジーパートナー | あり |
| 中部電力ミライズ | あり |
| 北陸電力 | なし |
| 関西電力 | あり |
| 中国電力 | あり |
| 四国電力 | あり |
| 九州電力 | あり |
| 沖縄電力 | あり |
「なし」は、今後も変わらないという意味ではありません。 届出の時期がずれることも、別の理由で料金が変わることもあります。 また、大手電力以外の会社(新電力)と契約している場合は、この届出とは別に各社が判断します。
ご自身がどの会社と契約しているかは、検針票や契約先からのお知らせで確認できます。 多くの会社は改定の前に案内を出します。届いた紙やメールを捨てずに取っておいてください。
「いくら上がるか」の数字が、2つある理由
各社の発表には、値上げ幅として2つの数字が出てきます。 これは片方が正しくて片方が嘘、という話ではありません。何と比べたかが違うだけです。
10月の請求には、国の支援による値引きがまだ乗っていました。 そこと比べれば、値引きが消えた分と送電網の使用料が変わった分の両方が足し算されます。 一方、値引きを除いた料金どうしで比べれば、後者だけになります。
見出しは、大きく見えるほうの数字を使いがちです。 驚いたときは、その数字がどちらなのかを確かめてください。 支援がいつ終わったのかについては、こちらの記事に経緯をまとめています。
関西電力と中部電力ミライズでは、過去の請求の訂正も重なります
今回の受理を伝える国の発表には、注記がついています。 中部電力ミライズと関西電力は、2024年2月に届け出た約款で算定を誤った原価を訂正したうえで、今回の料金を設定したという内容です。
この2社は、過去に家庭向けの電気料金を本来より高く請求していたことが判明しています。 国は9月29日、両社に再発防止の徹底を指導し、消費者への返還の進捗を随時報告するよう求めました。 あわせて中部電力に対しては、電気事業法に基づく報告を求めています。
中部電力ミライズは、過大請求分を2026年12月分の電気料金から差し引く形で順次返還すると発表しました。 対象は契約している家庭など約500万件です。 返還の方法や時期は会社によって違い、すでに解約した方の扱いが決まっていない場合もあります。
ご自身が対象かどうかは、契約先からの案内で確認してください。 この件については各社が専用の窓口や説明ページを設けています。 こちらから連絡して手続きが必要になるのか、自動で処理されるのかも、あわせて確かめておくと安心です。
上がる部分と、自分で動かせる部分
今回の改定で変わるのは、送電網の使用料という、契約者の側では動かしようのない部分です。 同じように、賦課金も国が全国一律で決めるため、会社を変えても変わりません。
手を打てるのは、契約するプランと、電気を使う時間帯です。 時間帯によって条件が変わるプランなら、使う時間をずらすことが効きます。 逆に、時間帯で差がないプランでは効きません。 仕組みは時間帯別プランの仕組みにまとめています。
蓄電池は、この「時間をずらす」を設備で行うための道具です。 使う電気の総量が減るわけではなく、充電と放電のときに少しロスも出ます。 ですから「値上がり分を取り返せる」とは言えません。 効くのは時間帯による差の部分だけで、その差が大きいプランほど効きやすくなります。 屋根の条件は問わないので、太陽光がなくても使えます。
どれくらい下がるか、何年で元が取れるかは、契約プラン・使い方・お住まいの条件で大きく変わります。 この記事では断定しません。 まずは11月に届く請求を、去年の同じ月と並べて見るところから始めてください。
この記事の出典
- 経済産業省「みなし小売電気事業者9社から特定小売供給約款の変更届出を受理しました」(2026年9月29日)
- 経済産業省「一般送配電事業者8社から託送供給等約款の変更届出を受理しました」(2026年9月11日)
- 経済産業省「中国電力ネットワーク株式会社から託送供給等約款の変更届出を受理しました」(2026年8月24日)
- 経済産業省「関西電力株式会社から報告徴収命令に対する回答を受領し、同社に対して指導を行いました」(2026年9月29日)
- 経済産業省「中部電力ミライズ株式会社から報告徴収命令に対する回答を受領し、同社に対して指導を行いました」(2026年9月29日)
- 経済産業省「中部電力株式会社に対して電気事業法に基づく報告を求めました」(2026年9月29日)
- 大手電力各社の料金改定の発表(2026年9月28日〜29日)