エコキュートは動力契約が必要?単相200Vと三相の違い
公開:2026年9月20日

「うちはエコキュートがあるから、動力契約だと思う」 「IHもあるし200Vだから、家庭用とは違うのでは」
この記事でわかること
- 200Vには単相と三相がある
- 家庭用の200V機器はすべて単相
- 動力が必要なのはどんなとき
- 検針票での確認方法
- 蓄電池の導入可否との関係
読むのにかかる時間:約4分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
こうしたお話を、実際によくうかがいます。そして、その多くは誤解です。 この誤解のせいで、電気代を下げられるはずの方が「うちは対象外だ」と諦めてしまうことがあります。
200Vには2つの種類があります。ここを分けて理解すると、話がはっきりします。
200Vには「単相」と「三相」がある
業務用エアコンを手がけるダイキン工業は、この違いを次のように説明しています。
「実は、電気には『動力』と『電力』の2種類がある」
家庭用エアコンで使われているのが「電力」(単相)。
店舗・オフィス・工場の業務用エアコンで使われるのが「動力」(三相200V)。
動力は「少ない電流で大きな電気を届けることができる」のが特長で、使うには「低圧電力」への契約が必要です。
つまり、200Vかどうかではなく、「単相」か「三相」かが分かれ目です。 同じ200Vでも、単相200Vならふつうの電灯契約のまま使えます。
家庭でよく使う200V機器は、すべて「単相200V」
「動力が必要では」と思われがちな機器を、メーカーの仕様で確認してみます。
| 機器 | 電源 | 動力契約 |
|---|---|---|
| 家庭用エコキュート | 単相200V | 不要 |
| IHクッキングヒーター | 単相200V | 不要 |
| EVの普通充電設備 | 単相200V(または100V) | 不要 |
| 家庭用エアコン | 単相100V/200V | 不要 |
| 電気式の床暖房 | 単相100V/200V | 不要 |
EVの充電設備については、パナソニックが明確にこう書いています。 「普通充電器は三相AC200Vには対応していません。単相AC200Vまたは100V(対地電圧150V以下)に対応しています。」 むしろ動力では使えないのです。
エコキュートも同じで、家庭用の機種は単相200V。 オール電化のお宅がまるごと動力契約になっている、ということは通常ありません。
では、動力契約が必要なのはどんなとき
動力(三相200V)が要るのは、業務用の大きな機械を動かす場合です。
- 業務用エアコン(大きな馬力のもの)
- 業務用の冷蔵・冷凍設備、ショーケース、製氷機
- 業務用の厨房機器、大型の洗濯乾燥機
- 工場やコインランドリーの機械類
ただし、業務用でも単相200Vの製品があります。
ダイキン工業も「業務用エアコンには『単相200V』の製品もあり、すべてが『三相200V』というわけではありません」と説明しています。
同社によれば、単相で対応できるのは3馬力までで、それ以上の馬力が必要な場合は三相になります。
「店舗だから動力」とも限らないということです。
自分がどちらか、確かめる方法
思い込みではなく、検針票で確認してください。1分で分かります。
- 検針票の契約種別を見る。「従量電灯A/B/C」などと書かれていれば電灯です
- 「低圧電力」「動力」と書かれていれば、それが動力の契約です
- 検針票が2枚届いていないか確認する。2枚あれば、電灯と動力の両方を契約しています
- 分電盤を見て、動力用の別盤があるかどうかも手がかりになります
検針票の見方は電気の検針票の読み方でくわしく説明しています。
なぜ、この誤解が起きるのか
理由はいくつかあると思います。
- 「200V=特別な電気」という印象。実際には家庭の分電盤から取れる単相200Vです
- 「オール電化=大量に電気を使う=業務用に近い」という連想。使用量と契約の種類は別の話です
- 工事のときに「200Vを引きます」と言われた記憶。これは単相200Vの配線を指していることがほとんどです
蓄電池を検討するときに、これが効いてくる
当サイトでご案内している蓄電池は、電灯(単相)の電気が対象で、動力の分は対象外です。 そのため、この思い込みがそのまま「うちは無理」という判断につながってしまいます。
- エコキュートやIHがあっても、電灯契約なら対象です。むしろ電気の使用量が多いぶん、効果は出やすくなります
- 店舗で動力契約がある場合も、電灯と動力が別々の契約になっていれば、電灯の分で導入できます
- 判断に必要なのは検針票1枚です。お分かりにならない場合は、こちらで確認いたします
逆に、電気代の大半が動力という場合は、正直なところ効果は限られます。 私たちが運営するコインランドリー7店舗を調べたときは、電気代の5割から9割が動力でした。 だから自社のコインランドリーには導入していません。 → 業種別・電気代が高くなりやすい業種
まとめ
- 200Vには単相と三相があり、動力契約が要るのは三相200Vの機器だけ
- 家庭用エコキュート・IH・EV充電・家庭用エアコンは、すべて単相200V。動力は不要
- 業務用エアコンにも単相200Vの製品がある(3馬力まで)
- 確かめる方法は検針票の契約種別。2枚届いていれば電灯と動力の両方
「たぶん動力だろう」で諦めてしまうのは、もったいない話です。 まずは検針票を1枚、手元に出してみてください。
出典:ダイキン工業「動力エアコンって何?」、パナソニック「AC200V充電設備の対応電源について」、 三菱電機・パナソニックの家庭用エコキュート仕様。いずれも2026年9月に内容を確認しています。