ジム・フィットネスの電気代|24時間営業のコスト構造
公開:2026年9月14日

24時間営業のジムは、スタッフのいない深夜も照明と空調を止められません。 会員がいつ来ても快適に使えることが商品だからです。 その結果、電気代は「営業時間」ではなく「1日24時間」で積み上がることになります。
この記事でわかること
- 24時間営業の電気代の内訳
- 深夜帯の電気をどう使うか
- 無人時間帯の空調・照明
- 時間帯別プランが有利になる条件
- 導入判断の目安
読むのにかかる時間:約4分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
この記事では、ジム・フィットネス施設の電気代の内訳を整理し、 深夜にも電気を使う業態ならではの考え方を書きます。 市場連動型の電気と蓄電池が合うかどうかの目安も扱います。
ジム・フィットネスの電気代の内訳
① 空調・換気
運動する人は体温が上がり、室内の温度と湿度も上がります。一般の店舗より強めに冷やし、換気も多く必要です。電気代の中心になりやすい項目です。
② 照明
無人の時間帯でも、防犯と会員の安全のために一定の明るさを保つ必要があります。24時間点いている照明は、LEDでも積み上がります。
③ 有酸素マシン
トレッドミル、エアロバイク、クロストレーナー。特にトレッドミルはモーターを回すぶん消費電力が大きく、利用が集中する時間帯に使用量が跳ね上がります。
④ シャワー・入退館設備
シャワーの給湯が電気の場合は大きな項目になります。入退館システム、防犯カメラ、自動ドアなども24時間動いています。
「深夜も使う」ことの意味
一般の店舗は昼に電気を使い、夜は止まります。24時間ジムは違います。 深夜にも照明・空調・入退館設備が動いているので、 電気を使う時間帯が1日じゅうに分散しています。
これは電気料金を考えるうえで重要です。 電気の契約を市場連動型に切り替えると、単価は時間帯ごとの市場価格で決まり、1日の中で上がったり下がったりします。
- 市場価格が高くなりやすい夕方〜夜に利用が集中するジムは、その時間の購入を蓄電池で減らせると効果が出やすい
- 1日じゅう同じように使っているジムは、安い時間にためる余地が少なく、置き換えられる量が限られる
つまり、切り替えや蓄電池が合うかどうかは、自店の時間帯ごとの使用量で決まります。 電力会社のWebサービスで30分ごとの使用量を確認できる場合は、一度グラフで見てみることをおすすめします。
無人の時間帯に見直せること
| 深夜の照明 | 利用者が少ないエリアの照明を人感センサーにする、ゾーンごとに減灯する。安全を損なわない範囲で見直せます。 |
|---|---|
| 空調の設定 | 深夜帯の設定温度を少し緩める。ただし利用者がいる前提の施設なので、下げすぎると解約理由になります。 |
| マシンの待機電力 | ディスプレイ付きのマシンは、使っていなくても電気を使います。深夜に一部をスリープさせる設定ができる機種もあります。 |
| 換気と空調の連動 | 換気量が多すぎると、空調で整えた空気をそのまま捨てることになります。在館人数に応じた換気ができると効率が上がります。 |
蓄電池は、ジムに合うのか
蓄電池は、電気の契約を市場連動型の電力会社(新電力)に切り替えたうえで、市場価格が安い時間に電気を蓄えて、高い時間に使う仕組みです。太陽光パネルは必要ありません。 市場価格は、時間帯・季節・天候で大きく変わります。一般に、晴れた日の昼間は太陽光発電が増えて安くなりやすく、夕方から夜にかけては高くなりやすい傾向があります。一方で、寒波や猛暑などで電気が足りなくなると大きく高騰することもあるため、毎月必ず電気代が下がるわけではありません。
ジムで効くのは、夕方から夜の利用ピークに使う電気を、市場価格が安い時間にためた電気で置き換える場面です。 逆に、1日じゅう同じように電気を使っているジムでは、ためる時間にも自店が電気を使っているため、 置き換えられる量が限られます。
先に確認:「動力」と「高圧契約」
ジムでは、業務用エアコンが動力(三相200V・低圧電力)で引かれていることが少なくありません。 ここで扱う蓄電池が対応するのは電灯(単相)の分だけです。電灯と動力が別々の契約になっていれば、動力契約があっても電灯の分で導入できます。 また、大型の総合フィットネスクラブのように契約電力50kW以上の高圧契約の施設は、この記事の対象外です。 まず検針票で、契約の種類と電灯・動力それぞれの金額を確認してください。
合う可能性があるジム
- 低圧契約で、電灯の電気代が月2万円以上
- 利用が夕方〜夜に集中している
- 停電すると入退館システムが止まり、会員が入れなくなる
合わない可能性が高いジム
- 電気代の大半が動力(業務用エアコン中心)
- 高圧契約の大型施設
- 1日じゅう同じように電気を使っている(ためる時間にも電気を使うため、置き換えられる量が少ない)
- パーソナルジムなど小規模で、電気代が月2万円に届かない
停電したときのジム
無人営業のジムで停電が起きると、入退館システム、照明、防犯カメラが同時に止まります。 中にいる会員は暗闇でマシンから降りることになり、外にいる会員は入れません。 スタッフがいない時間帯なら、状況の把握にも時間がかかります。
電気代とは別に、「停電時に最低限、照明と入退館を守る」という目的で備えを考えるのも一つの判断です。
まとめ
- 24時間ジムは空調・照明・マシンが1日じゅう分散して使う構造
- 合うかどうかは時間帯ごとの使用量の偏りで決まる
- 判断材料は3つ。低圧か高圧か、電灯と動力の内訳、時間帯ごとの使用量
判断の材料は3つです。契約が低圧か高圧か、電灯と動力の内訳、そして時間帯ごとの使用量。 この3つを確認すれば、手を打つべきかどうかははっきりします。
※ この記事の内訳や金額は、各業種の一般的な設備構成と消費電力をもとにした目安です。実際の金額は、設備の種類・稼働時間・契約内容によって変わります。 当社が大阪で運営するコインランドリー7店舗と宿泊施設の電気料金データ(12か月分)も参考にしています。