事務所の電気代を下げる|OA機器と空調の最適化
公開:2026年9月14日
事務所の電気代を下げようとするとき、最初に確認すべきことがあります。 その電気代は、本当に自社が払っているのかという点です。 テナントのオフィスでは、空調の電気代がビルの管理費に含まれていて、自社の請求には出てこないことがよくあります。
この記事では、事務所の電気代の内訳と、在席時間との関係、サーバーがある場合の注意点を整理します。 そのうえで、低圧契約の事務所でできる対策と、蓄電池が合う・合わないの目安を書きます。
まず確認:その電気代は、誰が払っているか
| 入居の形 | 電気代の払い方の例 | 自社でできること |
|---|---|---|
| ビルの一室(テナント) | 照明・コンセントは子メーターで按分、空調は共益費に含まれることが多い | 自社で契約していない電気には、プランの変更も設備の追加もできない |
| 路面・戸建ての事務所 | 電力会社と自社で直接契約 | プランの見直しも、設備の検討もできる |
| 自社所有のビル | 規模によっては高圧契約 | 高圧契約は、ここで扱う蓄電池の対象外 |
電力会社から自社宛てに検針票が届いているか。 まずここを確認してください。届いていなければ、この記事で扱う対策の多くは自社だけでは実行できません。
事務所の電気代の内訳
① 空調
事務所の電気代で最も大きくなりやすい項目です。在席人数が多いほど、夏場の冷房負荷は上がります。
② 照明
在席時間中は点いています。LED化が済んでいれば、ここに削る余地はあまり残っていません。
③ OA機器
パソコン、モニター、複合機、電話機、ネットワーク機器。1台ずつは小さくても、人数分が積み上がります。
④ サーバー・常時稼働機器
社内サーバー、NAS、ルーター、防犯設備。夜も休日も止まらない電気で、専用の空調が必要な場合もあります。
在席時間と電気の使い方
事務所の電気は、人がいる時間にほぼ比例して使われます。 始業と同時に照明・空調・パソコンが立ち上がり、終業とともに下がる。 夜間と休日に残るのは、サーバーやネットワーク機器などの常時稼働分だけです。
この使い方は、昼間に使用が集中し夜はほとんど使わない形です。 夜間の安い電気を、そのまま使える時間帯がほとんどないということでもあります。
お金をかけずに見直せること
| パソコン・モニター | 一定時間でスリープする設定を全台に。帰宅時のシャットダウンの徹底 |
|---|---|
| 複合機 | 省エネモードへの移行時間を短く設定する |
| 空調 | フィルター清掃、ブラインドで日射を遮る、使っていない会議室の空調を切る |
| 照明 | 窓際の減灯、会議室や倉庫の人感センサー化 |
| サーバー | クラウドに移せるものは移す。社内サーバーと専用空調が減れば、24時間の電気がまとめて減ります |
サーバーがある事務所の注意
社内にサーバーがある場合、停電はデータの損失につながりかねません。 電源が突然落ちると、書き込み中のデータが壊れることがあるからです。
サーバーには、蓄電池とは別にUPS(無停電電源装置)を用意しておくのが基本です。 UPSは停電の瞬間も電気を途切れさせず、安全にシャットダウンするまでの数分〜数十分をつなぎます。 蓄電池は機種によって、停電から電気が使えるようになるまでに切り替えの時間があるため、サーバーの瞬断対策としてはUPSが先です。
停電で業務が止まるリスク
- パソコンとネットワークが止まり、メールもクラウドも使えない
- 電話(IP電話)がつながらず、顧客からの連絡を受けられない
- 空調が止まり、真夏や真冬は執務環境として成り立たない
- 入退室のセキュリティが解除される、または入れなくなる
蓄電池は、事務所に合うのか
蓄電池は、単価の安い深夜の電気を蓄えて、単価の高い時間帯に使う仕組みです。 東京電力エリアの例では、1kWhあたり8.54円の差があります(従量電灯B第2段階36.40円/スマートライフS/L夜間27.86円、2026年5月時点)。 事務所は昼に電気を使う形なので、使い方の形としては合っています。太陽光パネルは必要ありません。
ただし、ここでも削減できる金額は電気代の大きさに比例します。 数人規模の事務所では電気代が月1〜2万円に収まっていることが多く、電気代の削減だけでは設備の費用に見合いません。
合う可能性があるのは
- 電力会社と自社で直接契約している、低圧契約の事務所
- 電灯の電気代が月3万円を超えている
- 停電で業務が止まることの損失が大きい(受注・問い合わせ対応が止まるなど)
合わない可能性が高いのは
- 空調の電気代が共益費に含まれているテナントの事務所
- 数人規模で、電気代が月1〜2万円程度
- 高圧契約の自社ビル
- 業務用エアコンが動力(三相200V)で、電灯の分が小さい
まとめ
事務所の電気代対策は、自社が何の電気代を払っているのかを確かめるところから始まります。 空調が共益費に含まれていれば、自社でできることは照明とOA機器の運用に限られます。
自社で直接契約していて、電灯の電気代がある程度大きく、停電で業務が止まる損失も大きい。 この3つがそろったときに、買う時間帯を変える方法と停電への備えを検討する価値が出てきます。