整体院・接骨院の電気代|施術機器と空調の負担
公開:2026年9月14日

整体院や接骨院は、大きな設備を持たない業態です。 それでも毎月の電気代を見ると、「思っていたより払っている」と感じることがあります。 理由の多くは、空調と給湯、そして施術機器が、営業時間中ずっと動いていることにあります。
この記事でわかること
- 整体院の電気代の内訳
- 空調を止められない理由
- 営業時間と電気の使い方
- 契約プランの見直し
- 停電時に施術を続けられるか
読むのにかかる時間:約4分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
この記事では、整体院・接骨院の電気代の内訳を整理し、見直せる部分を順に見ていきます。 あわせて、小規模な院では蓄電池が合わないことも多いという点も、正直に書きます。
整体院・接骨院の電気代の内訳
院の規模や施術内容で違いはありますが、電気を使っているのは主に次の4つです。
① 空調
施術中のお客さまは薄着になり、横になって動かないため、室温の管理が一般の店舗より繊細です。暑すぎても寒すぎても、施術の満足度に直結します。
② 施術機器
電気治療器、低周波・干渉波の機器、ウォーターベッド、マッサージチェアなど。台数が多い院ほど、合計の使用量が増えます。
③ 温める設備
ホットパック、タオルウォーマー、電気温水器。「温める」機器は消費電力が大きく、営業中に保温を続けるものが多いのが特徴です。
④ 照明・受付まわり
照明、予約システムのパソコン、レジ、BGM。1つずつは小さくても、開院中はずっと動いています。
空調を止められない理由
整体院の空調は、単なる快適さの問題ではありません。 筋肉がこわばっていれば施術の効果が出にくいので、室温は施術の質そのものに関わります。
さらに、施術スペースと待合、受付がひと続きの空間になっていることが多く、 空調を部分的に止めるのが難しい。 予約の合間にお客さまがいない時間があっても、次の方のために室温を保っておく必要があります。
見直せる部分
| 温める機器の運用 | ホットパックやタオルウォーマーを、予約のない時間帯まで保温し続けていないか。朝一番に全台を入れる運用を見直すだけで変わることがあります。 |
|---|---|
| 施術機器の待機電力 | 電源を入れっぱなしの機器は、使っていない時間も電気を使います。閉院時に主電源を落とす習慣は、積み重なると効きます。 |
| 空調フィルターの清掃 | 目詰まりは効率を落とします。月に1回程度の清掃で十分です。 |
| 照明のLED化 | まだ蛍光灯なら効果があります。すでにLEDなら、削る余地はほぼありません。 |
| 電力会社・プランの見直し | プランによっては下がります。ただし乗り換えだけで大きく変わる状況ではなくなっているので、過度な期待は禁物です。 |
市場連動型の電気と蓄電池という選択肢
電気の契約を市場連動型の電力会社(新電力)に切り替えると、単価は時間帯ごとの市場価格で決まります。 市場価格は、時間帯・季節・天候で大きく変わります。一般に、晴れた日の昼間は太陽光発電が増えて安くなりやすく、夕方から夜にかけては高くなりやすい傾向があります。一方で、寒波や猛暑などで電気が足りなくなると大きく高騰することもあるため、毎月必ず電気代が下がるわけではありません。
整体院が電気を使うのは日中から夜にかけてです。 そこで、市場価格が安い時間の電気を蓄電池に蓄えておき、高い時間にその電気を使うという方法があります。 使う量は変わりませんが、買う単価が変わります。太陽光パネルは必要ありません。
正直に書くと、小規模な院では合わないことが多い
ここは大事なところです。 削減できる金額は、もともと払っている電気代に比例します。
ベッドが1〜2台、スタッフもお一人か二人という院では、電気代が月2万円に届かないことが珍しくありません。 この水準だと、蓄電池で削減できる金額には上限があり、費用を取り戻すのに時間がかかるのが実情です。
合う可能性があるのは、こういう院
- 電灯契約の電気代が月2万円以上
- ベッド数・施術機器が多く、スタッフも複数いる
- 夜まで開院している
- 停電すると予約をすべて断ることになる(施術機器・電子カルテ・予約システムに依存している)
合わない可能性が高い院
- 電気代が月2万円に届かない小規模な院
- 近く移転や改装の予定がある
- 電気の契約を切り替えたくない(市場連動型の電力会社への切り替えが前提です)
「動力」の電気は対象外です。
業務用エアコンを動力(三相200V・低圧電力)で引いている場合、その分は削減できません。
蓄電池が対応するのは電灯(単相)の分だけです。電灯と動力が別々の契約になっていれば、動力契約があっても電灯の分で導入できます。検針票が2枚届いている院は、まず内訳をご確認ください。
停電したとき、施術を続けられるか
電気代とは別の視点として、停電時の営業があります。 照明が消え、空調が止まり、電気治療器が使えず、予約システムにもアクセスできない。 その日の予約は、ほぼすべて振り替えることになります。
蓄電池があれば、照明と空調、最低限の機器を動かしてその日の予約をこなせる可能性があります。 ただし、何をどれだけ動かしたいかで必要な容量は変わるので、 「停電時に最低限これだけは動かしたい」という機器を先に決めておくことが出発点になります。
まとめ
- 電気代は空調・施術機器・温める設備で決まる
- 保温時間の見直しなど、お金をかけずにできることから始めるのが順番
- 蓄電池は電気代がある程度大きい院でなければ、削減だけでは見合わない
- 確認するのは月の電気代と、そのうち電灯の分の2つ
蓄電池は、電気代がある程度大きい院でなければ、電気代の削減だけでは見合いません。 月の電気代がいくらで、そのうち電灯の分がいくらか。 まずこの2つの数字を確認することが、判断のいちばんの近道です。
※ この記事の内訳や金額は、各業種の一般的な設備構成と消費電力をもとにした目安です。実際の金額は、設備の種類・稼働時間・契約内容によって変わります。 当社が大阪で運営するコインランドリー7店舗と宿泊施設の電気料金データ(12か月分)も参考にしています。