雷で家電が壊れる|停電より怖い雷サージ
公開:2026年9月27日

雷で怖いのは、停電そのものより家電が壊れることです。 停電は復旧すれば終わりますが、壊れた機器は戻りません。
この記事でわかること
- 雷サージとは何か
- 入ってくる道はコンセントだけではない
- 雷が多い地域ははっきりしている
- いちばん確実な対策は抜くこと
- 雷サージ対応の電源タップ
- 蓄電池は雷から守ってくれるのか
読むのにかかる時間:約3分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
しかも、雷が家に落ちなくても壊れます。近くに落ちるだけで十分です。
雷サージとは何か
落雷があると、電線やアンテナ線、電話線に非常に高い電圧が一瞬だけ流れ込みます。 これを雷サージと呼びます。
家庭のコンセントは100Vです。そこに、けた違いの電圧が入ってきます。 製品評価技術基盤機構(NITE)の事故調査報告にも、2kV(2,000V)を超える雷サージ侵入の痕跡を調べた記録が残っています。
この一瞬で、機器の中の電子部品が焼けます。 見た目は何ともなくても、電源が入らなくなったり、しばらくしてから動かなくなったりします。
入ってくる道は、コンセントだけではありません
テレビが壊れるのは、電源よりアンテナ線からが多いと言われます。 パソコンなら、コンセント・LANケーブル・モニターのケーブルと、道が複数あります。
雷が多い地域は、はっきりしています
気象庁の平年値で、1年に雷を観測する日数を見ると、地域差がかなり大きいことが分かります。
| 地点 | 年間の雷日数 |
|---|---|
| 金沢(石川) | 45.1日 |
| 福井(福井) | 37.4日 |
| 新潟(新潟) | 34.7日 |
| 秋田(秋田) | 34.3日 |
| 富山(富山) | 33.6日 |
| 47地点の平均 | 20.1日 |
| 札幌(北海道) | 9.2日 |
| 仙台(宮城) | 9.8日 |
金沢は札幌の約5倍です。北陸から東北の日本海側に集中しています。
そして北陸の雷は冬に鳴ります。「雷は夏のもの」という感覚は、この地域では当てはまりません。 ちょうど電気を多く使う季節と重なります。
いちばん確実な対策は、抜くことです
身も蓋もない話ですが、コンセントとアンテナ線を抜いておくのが最も確実です。 物理的につながっていなければ、電気は入ってきません。
ただ、雷が鳴り始めてから抜くのでは間に合わないことがあります。 そして留守のときは抜けません。だから次の手が要ります。
雷サージ対応の電源タップ
「雷サージ対応」と書かれた電源タップは、高い電圧が来たときに、それをアース側へ逃がします。 数千円で買えるので、守りたい機器の手前に入れておく価値はあります。
ただし、万能ではありません。
タップはアースにつながっていて初めて働きます。アース端子のないコンセントでは効果が落ちます。
蓄電池は、雷から守ってくれるのか
ここは正直にお答えします。
蓄電池は、雷サージ対策の機器ではありません。 停電したときに電気を供給する機器であって、高い電圧の侵入を防ぐのが仕事ではありません。
期待できるのは、雷で停電したあとの部分です。
- 雷で停電しても、冷蔵庫や照明は動き続けます
- 復旧を待つあいだ、生活が止まりません
- 通電火災のリスクにも関わります(通電火災の記事)
「蓄電池を入れたから雷でも家電は無事」とは言えません。 雷サージ対策は、タップやアース工事など別の手当てが必要です。
蓄電池そのものも、雷サージの影響を受けることがあります。 屋外に設置する機器なので、無関係ではありません。 設置のとき、アースが規定どおり取られているかを確認してください。施工の基本ですが、確認する価値はあります。
火災保険が使えることがあります
落雷で家電が壊れた場合、火災保険の対象になることがあります。 「火災」保険という名前ですが、落雷による損害を補償する契約は珍しくありません。
壊れた機器を捨てる前に、証拠として写真を撮っておいてください。 蓄電池と火災保険の関係はこちらの記事にまとめています。
まとめ
- 雷で怖いのは停電より雷サージによる機器の破損。直撃しなくても壊れます
- 入ってくる道は電線・アンテナ線・電話線やLAN。1本でも挿さっていれば入ります
- 雷日数は金沢45.1日に対し札幌9.2日。北陸・東北の日本海側は冬に鳴ります
- いちばん確実なのは抜くこと。次が雷サージ対応タップ(アースが前提)
- 蓄電池は雷サージ対策の機器ではありません。効くのは停電したあとの部分です
- 壊れたら火災保険を確認。捨てる前に写真を撮る
雷が多い地域にお住まいなら、停電への備えと、雷サージへの備えは別とお考えください。 蓄電池は前者にしか効きません。そこを混ぜて売る説明があれば、疑ってよいと思います。
出典:気象庁「地上気象観測 平年値(1991〜2020年)」各地点の年間雷日数、 製品評価技術基盤機構(NITE)「事故情報(家庭用電気製品)」。 雷サージ対策機器の効果は、設置環境やアースの状態によって異なります。