停電で冷蔵庫の中身はどれくらい持つか
公開:2026年9月20日

停電したとき、家庭でも店舗でも最初に気になるのが冷蔵庫です。 「何時間までなら大丈夫なのか」「中の食品は捨てるべきなのか」。 判断を誤ると、まだ食べられる物を捨てることにも、傷んだ物を口にすることにもなります。
この記事でわかること
- 扉を開けなければ何時間持つか
- 季節による違い
- 冷凍庫と冷蔵室の差
- 飲食店の在庫の場合
- 電源があれば何が変わるか
読むのにかかる時間:約3分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
この記事では、停電中の冷蔵庫・冷凍庫がどれくらい持つかの目安と、 季節や使い方による違い、飲食店の在庫の場合の考え方をまとめます。
この記事の時間は、あくまで目安です。
実際の温度の上がり方は、冷蔵庫の性能・中身の量・室温・停電前の庫内温度で変わります。
食品の安全は、時間だけでなく温度と見た目・においで総合的に判断し、迷ったら食べないでください。
扉を開けなければ、何時間持つか
米国農務省(USDA)は、停電時の食品の扱いについて次の目安を示しています。
| 場所 | 扉を開けなかった場合の目安 |
|---|---|
| 冷蔵室 | 約4時間は安全な温度を保てる |
| 冷凍庫(中身がいっぱい) | 約48時間 |
| 冷凍庫(中身が半分程度) | 約24時間 |
出典:米国農務省 食品安全検査局(USDA FSIS)の停電時の食品安全に関する案内
ポイントは「扉を開けなければ」という条件です。 扉を開けるたびに冷気が逃げ、持つ時間は短くなります。 停電したら、中身を確認したくても、できるだけ開けないことが一番の対策です。
季節による違い
- 夏:室温が高いと、庫内の温度は早く上がる。冷蔵室の目安時間より短くなると考えておく
- 冬:室温が低いぶん、温度の上がり方は緩やか。ただし暖房の効いた部屋では夏と同じ
- 台風・大雨の時期:停電が長引きやすく、気温も高いことが多い。冷凍庫の保冷剤や氷を普段から入れておくと、保冷の時間を延ばせる
冷凍庫と冷蔵室の差
冷凍庫が冷蔵室より長く持つのは、凍った食品そのものが保冷剤の役割を果たすからです。 中身がぎっしり詰まっているほど、お互いに冷やし合って温度が上がりにくくなります。
- 停電が長引きそうなら、冷蔵室の傷みやすい物を、冷凍庫に移す方法もある(移す作業は一度で手早く)
- 冷凍食品が一部溶けていても、中心に氷の結晶が残っているなら、再冷凍できる場合がある(品質は落ちる)
- 完全に溶けて、冷蔵の温度より上がった状態が続いた肉・魚などは、再冷凍せずに処分を検討する
停電が終わったら、何を確認するか
- 庫内の温度を確認する:冷蔵庫用の温度計を入れておくと判断しやすい
- 傷みやすい物から判断する:肉・魚・乳製品・卵料理・調理済みの食品・カット野菜
- 比較的持つ物:未開封の調味料の多く、硬いチーズ、生の果物・野菜(丸ごと)など
- 迷ったら処分する:においや見た目で分からない傷み方もある
飲食店の在庫の場合
飲食店にとって、冷蔵・冷凍設備の停電はそのまま在庫の損失です。 家庭と違って、次のような事情が加わります。
- 扉の開閉が多い:営業中の停電なら、直前まで頻繁に開け閉めしていて、庫内温度がすでに上がりやすい状態
- 在庫の金額が大きい:仕込み済みの食材や、仕入れたばかりの食材が一度に傷む
- 温度管理の記録が求められる:HACCPに沿った衛生管理をしている店舗では、停電中の温度の扱いも判断が必要
- 営業の再開:食材の安全が確認できなければ、電気が戻っても営業を再開できない
「停電が何時間続いたら、どの食材を廃棄するか」を、あらかじめ店のルールとして決めておくと、いざというときに迷わずに済みます。
電源があれば、何が変わるか
停電時に冷蔵庫へ電気を送れる手段があれば、「何時間持つか」を心配する必要そのものがなくなります。
| 手段 | 冷蔵庫への対応 |
|---|---|
| ポータブル電源 | 家庭用冷蔵庫なら、容量次第で数時間〜1日程度動かせることがある。コンセントを差し替える必要がある |
| 定置型の蓄電池 | 停電時に自動で切り替わる機種が多い。特定負荷型なら、冷蔵庫の回路が対象になっているかの確認が必要 |
| 発電機 | 燃料があれば長時間動かせる。屋外での使用が前提で、騒音・排気・燃料の保管に注意 |
家庭用冷蔵庫の消費電力は平均して数十W程度のことが多く、冷蔵庫だけなら、それほど大きな容量は要りません。 一方、飲食店の業務用冷蔵設備は消費電力が大きく、動力(三相200V)で動いている場合は、一般的な蓄電池では対応できません。
まとめ
- 扉を開けなければ冷蔵室は約4時間、いっぱいの冷凍庫は約48時間が目安(米国農務省)
- 最も大切なのは停電したら扉を開けないこと
- 夏はそれより短く考え、迷った食品は処分する
- 在庫の損失が大きい店舗では、冷蔵庫を動かし続けられる電源が確実
停電が長引く地域や、在庫の損失が大きい店舗では、冷蔵庫を動かし続けられる電源を持っておくことが、食品を守る確実な方法になります。