マンションの停電|エレベーターと水と車が止まる
公開:2026年9月27日

マンションの停電は、戸建てとは困り方が違います。 部屋の電気が消えることより、共用部分が止まることのほうが厄介です。
この記事でわかること
- 止まるのは部屋の中だけではない
- 水が出ない。これがいちばん重い
- エレベーターは止まり方が2種類
- 車が出せなくなることがある
- 各戸の蓄電池にできること
読むのにかかる時間:約3分 / 出典は記事の末尾に記載しています
読む前に、向き不向きだけ先に確かめることもできます。 電気代の削減効果は、もともとの電気代の大きさで決まります。合わない場合は、その旨をはっきり表示します。
そして、そのほとんどは各戸の蓄電池では解決できません。 先にそこをお伝えしておきます。
止まるのは、部屋の中だけではありません
国土交通省は、建物で停電が起きたときの影響を整理しており、 エレベーター、給水設備等のライフラインが一定期間使用不能となり、 建築物の居住継続に大きな支障を与えたと記しています。 実際に起きた水害での被害を踏まえた記述です。
水が出ない。これがいちばん重い
マンションの多くは、いったん受水槽に水をためて、ポンプで各階に押し上げています。 このポンプが止まれば、上の階から順に水が出なくなります。
国土交通省のマンション改修マニュアルにも、 「停電時にはポンプ等が停止するため給水できない」と明記されています。
そして、困るのは飲み水よりトイレです。量が桁違いに要ります。 詳しくは停電すると水も止まるにまとめました。
エレベーターは、止まり方が2種類あります
| 状況 | 何が起きるか |
|---|---|
| 停電時自動着床装置がある | 予備の電源で最寄りの階まで動き、扉が開きます |
| 装置がない、または作動しない | その場で停止します。中にいれば閉じ込めになります |
この装置は、すべてのエレベーターに付いているわけではありません。 古い建物ほど付いていない可能性があります。
国土交通省が過去に行った緊急点検では、「停電灯バッテリー劣化」「停電時自動着床装置不良」という結果が実際に報告されています。 付いていても、点検していなければ働かないということです。
お住まいのマンションのエレベーターに、この装置があるか確認してください。
管理会社か、エレベーター内に貼られている保守会社の連絡先で分かります。
これは蓄電池では解決できない部分です。管理組合で話し合うことになります。
車が出せなくなることがあります
機械式駐車場をお使いなら、停電中は車を出せません。 国土交通省の資料でも、停電時の影響として機械式駐車場は「自家用車出庫不可」と整理されています。
避難するために車を使おうとしても、駐車場から出せないということが起こります。 台風の接近が分かっているときは、停電する前に車を出しておくのが現実的な備えです。
では、各戸の蓄電池には意味がないのか
そんなことはありません。役割が違うだけです。
- 冷蔵庫を動かし続けられます。食品を捨てずに済みます
- 照明が点きます。階段を使うときの安全にも関わります
- スマホの充電ができます。情報が途切れません
- 夏や冬はエアコンが動かせることもあります。容量と出力によります
共用部分は管理組合の仕事、専有部分はご自身の備え。ここを分けて考えると、何をすべきかがはっきりします。
ただし、置けるかどうかは別の問題です
マンションに蓄電池を置くには、管理規約と設置場所という別のハードルがあります。 バルコニーは共用部分の扱いなので、勝手に機器を置けないことが多いためです。
この点はマンションに蓄電池は置けるかで詳しく書きました。 賃貸の場合は、貸主の許可と原状回復の話も出てきます(賃貸・テナントの蓄電池)。
置けない場合は、ポータブル電源という選択もあります。 工事が要らず、規約にも触れません。できることは限られますが、冷蔵庫と照明とスマホなら足ります。 違いは蓄電池とポータブル電源の違いにまとめています。
まとめ
- マンションの停電で重いのは、共用設備が止まること
- 給水ポンプ・エレベーター・機械式駐車場は、各戸の蓄電池では動きません
- エレベーターの停電時自動着床装置の有無を、管理会社に確認しておく
- 機械式駐車場は停電すると出庫できません。台風なら先に出しておく
- 各戸の蓄電池でできるのは冷蔵庫・照明・充電。それでも価値はあります
- 置けるかどうかは管理規約次第。置けないならポータブル電源という道もあります
「蓄電池を入れれば停電は怖くない」とは、マンションでは言えません。 できることとできないことを分けたうえで、それでも必要かをご判断ください。 向かないと思えば、その旨をお伝えします。
出典:国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」(令和2年6月)、 同「マンション改修マニュアル」、同「エレベーターの緊急点検の結果」。 エレベーターや駐車設備の仕様は建物ごとに異なります。詳細は管理会社・保守会社にご確認ください。